使い捨て手袋 種類
使い捨て手袋の種類と選び方——ニトリル・ポリエチレン・塩化ビニル・ラテックスの違い

結論から:3段階ピック
迷ったらここだけ読めばOK。詳しい比較は本文で解説します。
素材で迷ったらまずニトリル、が現実的です。国内手袋大手ショーワグローブの定番シリーズは食品衛生法適合の表記とSS〜LLのサイズ展開があり、素材選びの基準にしやすい一枚です。
食品衛生法適合の表記がある汎用ニトリル手袋。パウダーフリー・左右兼用で、種類選びの入り口として汎用性が高く、油や生ものにも使えます。
| 項目 | ニトリル | ポリエチレン(PE) | 塩化ビニル(PVC) | ラテックス(天然ゴム) |
|---|---|---|---|---|
| 素材 | 合成ゴム(ニトリルゴム) | 石油由来の樹脂 | 塩化ビニル樹脂(可塑剤を含む) | 天然ゴム |
| フィット感 | 伸縮性がありフィットしやすいとされる | 伸縮せずフィット感は乏しい | そこそこフィットするとされる | 伸縮性が高くフィットしやすいとされる |
| 耐油性 | 比較的高いとされる | 商品による差が大きい | 中程度とされる | 比較的高いとされる |
| 価格帯目安(100枚) | 実勢1,000円前後〜 | 実勢200〜300円程度 | 実勢数百円〜(商品による) | 取り扱いが少なく単純比較しにくい |
| アレルギー配慮 | 合成ゴムのためラテックスアレルギーの心配が少ないとされる | 石油由来樹脂のため基本的に心配は少ない | 基本的に心配は少ない | 天然ゴムのタンパク質に反応が出る場合がある |
| 食品使用の可否確認 | 「食品衛生法適合」表記の有無を確認 | 「食品衛生法適合」表記の有無を確認 | 可塑剤・適合表記を確認(食品用の表記があるものを選ぶ) | 表記の有無を確認(食品用の流通自体が少なめ) |
「使い捨て手袋」とひとことで言っても、売り場や通販サイトを見るとニトリル・ポリエチレン(PE)・塩化ビニル(PVC)・ラテックスなど複数の素材が並んでいて、どれを選べばよいか迷うという経験はないでしょうか。飲食店の厨房ではこれらを作業ごとに使い分けているのが一般的で、素材の違いを知っておくと家庭でも無駄なく選べます。本記事では、各メーカーの公開情報や通販サイトの商品説明をもとに、使い捨て手袋の主な種類と素材ごとの向き不向き、選ぶときに確認したい軸、家庭での用途別の使い分けを整理します。あらかじめお断りしておくと、この記事は実際に使い比べた実使用レポートではなく、公開されている仕様・価格情報にもとづく整理です。食品衛生法や制度に関する記述も、公的機関・販売店の公開情報を「〜とされています」という形で扱い、断定は避けています。
結論:使い捨て手袋は「素材」で選ぶ
先に結論をお伝えすると、使い捨て手袋は素材によって向く作業がはっきり分かれるため、「どの素材か」と「食品衛生法適合の表記があるか」の2点でまず絞り込むのが失敗しない選び方とされています。家庭で幅広く使うことを前提にするなら、油や生ものにも使えて汎用性の高いニトリル手袋を軸にし、手早く交換したい軽作業用に安価なポリエチレン(PE)手袋を足す、という組み合わせが現実的です。
素材選びの基準を一つ持っておきたいなら、国内手袋大手ショーワグローブの「ニトリスト」シリーズのようなニトリル手袋が候補になります。公式サイトの製品ページでは食品衛生法に基づく規格基準に適合していることが明記されており、SS〜LLのサイズ展開や着脱のしやすさなど、業務用として使われてきた作り込みが特徴とされています。まず1種類そろえるなら、汎用性の高いニトリルから入るのが分かりやすい選択です。
使い捨て手袋の主な種類——素材でこう違う
使い捨て手袋の素材は、大きく分けてニトリル・ポリエチレン(PE)・塩化ビニル(PVC)・ラテックス(天然ゴム)の4種類が流通しています。それぞれの特徴を順に見ていきます。
ニトリル手袋(合成ゴム)
ニトリル手袋は、ニトリルゴムという合成ゴムでできた手袋です。伸縮性が高く指先までフィットしやすいうえ、油や薬品に比較的強い(耐油性が高い)とされ、揚げ物の衣付けや生肉・魚の下処理など、油や水分に触れる作業に向いているとされています。天然ゴムを使わないため、後述するラテックスアレルギーの心配が少ないとされることも、飲食店で標準的に使われている理由の一つです。価格は100枚入りで実勢1,000円前後からと、PEよりは高めですが、汎用性の高さから家庭でも扱いやすい素材です。
まず1種類を試すなら、食品衛生法適合の表記がある汎用タイプのニトリル手袋が入り口になります。通販サイトでは「食品衛生法適合」「パウダーフリー」「左右兼用」といった仕様が示されている商品が多く、この表記を確認するだけで食品を扱う作業に使えるかどうかの目安になります。ニトリル手袋そのものの詳しい選び方や使いどころは、ニトリル手袋は厨房の標準装備——家庭での使いどころで掘り下げています。
ポリエチレン(PE)手袋
ポリエチレン(PE)手袋は、石油由来の樹脂を薄いフィルム状にした手袋で、使い捨て手袋のなかでもっとも安価な部類に入ります。100枚入りで実勢200〜300円程度と手に取りやすく、エンボス加工で左右兼用になっている商品が多いのも特徴です。一方で、素材が伸縮しないため手にフィットしにくく、指先の細かい作業には向きにくいとされています。生地の強度もそれほど高くなく、力のかかる作業や油でべたつく作業では破れやすいという指摘もあります。
その分、着脱がしやすく安価に交換できるため、おにぎりを握る・パンをつかむ・食材を軽く仕分けるといった、手早く交換したい軽作業に向いているとされています。「しっかり保護したい作業はニトリル、手早く交換する軽作業はPE」という役割分担が、通販サイトの商品説明からも読み取れる目安です。
塩化ビニル(PVC・ビニール)手袋
売り場で「ビニール手袋」と呼ばれることが多いのが、塩化ビニル樹脂(PVC)製の手袋です。やわらかさを出すために可塑剤という添加剤を加えているのが一般的とされ、フィット感と価格のバランスは中程度で、以前は食品を扱う現場でも広く使われてきました。ニトリルほどの耐油性やフィット感はないものの、PEよりはフィットしやすいとされ、中間的な選択肢という位置づけです。
食品に直接触れる用途で選ぶ場合は、可塑剤に関する表記や「食品衛生法適合」の表記を商品ページで確認しておくと安心とされています。同じPVCでも、食品用として作られた商品と、清掃用・工業用として作られた商品があるためです。用途に迷ったときは、汎用性の高いニトリルに寄せておくと確認の手間が少なくなります。
ラテックス(天然ゴム)手袋
ラテックス手袋は天然ゴム製で、伸縮性やフィット感はニトリルと同等以上とされる一方、天然ゴムに含まれるタンパク質に体が過敏に反応する「ラテックスアレルギー」のリスクがあるとされています。皮膚のかゆみや発疹から、まれに呼吸器の症状まで幅があると紹介されており、不特定多数の人が使う飲食の現場では、近年ニトリルやPEへの置き換えが進んでいると複数の業界向けサイトで紹介されています。家庭でも、同居家族や来客の体質を把握しきれない以上、あえてラテックスを選ぶ理由は少なく、本記事でも「参考」の位置づけにとどめています。
なぜプロの厨房は素材を使い分けるのか
飲食店の厨房では、一種類の手袋ですべてをまかなうのではなく、作業に応じて素材を使い分けているのが一般的なようです。理由は大きく2つあります。
ひとつは、作業ごとに求められる性能が違うからです。生肉や魚の下処理、揚げ物の衣付けのように油や水分に触れ、しっかり手を保護したい作業には、耐油性とフィット感のあるニトリル手袋が向いています。一方、盛り付け直前に何度も付け替える、パンやおにぎりを短時間だけ扱うといった軽作業では、安価で着脱の速いPE手袋のほうがテンポよく交換できます。高機能な手袋をすべての作業に使うとコストがかさむため、性能とコストのバランスで素材を選び分けているわけです。
もうひとつは、こまめな交換を前提にしているからです。使い捨て手袋は、汚れたら替える・作業や食材が変わったら替えるという使い方が衛生管理の基本とされています。生ものを扱った手袋のまま調理済みの食品に触れれば、かえって汚染を広げてしまうおそれがあるためです。交換の頻度が高い現場ほど、安価に使い分けられる素材を組み合わせる意味が大きくなります。家庭でも、この「作業が変わったら替える」という考え方を取り入れると、手袋の効果を活かしやすくなります。
選び方の3つの軸——素材・食品衛生法適合・入数とコスト
使い捨て手袋を選ぶときに確認したい軸を、3つに整理します。
軸1:素材(作業に合っているか)
ここまで見てきたとおり、素材ごとに向く作業が異なります。油・生もの・辛味食材などしっかり保護したい作業はニトリル、手早く交換する軽作業はPE、中間の汎用はPVC、という大まかな対応を押さえておくと選びやすくなります。1種類だけそろえるなら、対応できる作業の幅が広いニトリルが無難とされています。
軸2:食品衛生法適合の表記があるか
食品に直接触れる作業では、素材の種類以上に「食品衛生法適合」あるいは「食品衛生法規格基準適合」の表記があるかどうかが重要とされています。使い捨て手袋には食品用のほかに清掃用・工業用として作られた商品もあり、それらは必ずしも食品用の基準を満たしているとは限らないためです。
もう一段踏み込むと、2020年6月の食品衛生法改正で、食品用の器具・容器包装について「ポジティブリスト制度」という枠組みが導入されています。これは安全性が確認された物質だけをリスト化し、それ以外の使用を原則禁止する仕組みで、消費者庁・厚生労働省の公開情報によれば、食品に直接触れる合成樹脂製の手袋もこの制度の対象に含まれるとされています(食品に触れない清掃用途などは対象外)。経過措置期間は2025年5月31日までとされていたため、2026年現在は本格運用の段階にあたります。細かな適用範囲は今後変わる可能性もあるため、最新の情報は消費者庁・厚生労働省の公式ページでご確認ください。家庭で選ぶ場合は、制度の詳細まで把握する必要はありませんが、購入前に「食品衛生法適合」の表記の有無をひとつの目安として確認するとよさそうです。
軸3:入数とコスト(交換頻度に見合うか)
使い捨て手袋はこまめに交換してこそ効果を発揮する消耗品のため、1枚あたりの単価と入数も選ぶうえで無視できません。100枚入りで比べると、PEが実勢200〜300円程度、ニトリルが実勢1,000円前後からと差があります。ただしこれは同じサイズ・同じ用途での厳密な比較ではなく、素材や商品によって枚数・厚み・仕様が異なる点には注意が必要です。頻繁に使う軽作業には安価なPEを、しっかり使いたい作業には枚数を絞ってニトリルを、というように、用途ごとに入数とコストを見合わせると無駄が出にくくなります。
家庭で使うときの注意点
写真はイメージです
家庭で使い捨て手袋を取り入れるときに、押さえておきたい注意点をまとめます。
まず、手袋を過信しないことです。手袋を着けていても、汚れた手袋であちこちに触れれば汚染は広がります。作業や食材が変わるタイミングでこまめに交換し、外したあとは手洗いをする、という基本の流れは手袋の有無にかかわらず変わりません。手袋はあくまで、素手での接触やにおい移り、手荒れを減らすための補助と捉えるとよさそうです。
次に、洗って再利用しないことです。使い捨て手袋は一度きりの使用を前提に作られており、洗って繰り返し使うと素材が劣化して破れやすくなるほか、汚れが落ちきらず衛生面のリスクが残るとされています。安価なPE手袋も含め、汚れたら替えるのが本来の使い方です。
そして、素材の相性を意識することです。同居家族にゴム製品でかゆみが出た経験がある場合は、天然ゴムのラテックスを避け、合成ゴムのニトリルや樹脂系のPE・PVCを選ぶほうが無難とされています。逆に、フッ素樹脂加工の鍋やフライパンを扱うといった調理器具側の相性は手袋の素材とは別の話なので、道具ごとの使い方はトングは業務用が結局使いやすいなども参考にしてください。
用途別に選ぶ——一生モノ・まずはこれ・予算重視
最後に、素材と用途の対応を3段階で整理します。
一生モノ(長く定番にしたい):素材選びの基準を1つ持つなら、ショーワグローブのような大手メーカーの食品衛生法適合ニトリル手袋。サイズ展開が広く、油・生もの・辛味食材まで幅広い作業に対応できるため、家庭の「主力」として据えやすい素材です。
まずはこれ(迷ったらこれ):食品衛生法適合の表記がある汎用ニトリル手袋。ブランドにこだわらず、表記の有無だけ確認して選べば、多くの作業をこれ1種類でカバーできます。使い捨て手袋を初めてそろえる場合の入り口として扱いやすい選択です。
予算重視(軽作業を安く):手早く交換する軽作業用にはポリエチレン(PE)手袋。フィット感や耐久性は劣りますが、安価に何度も付け替えられるため、ニトリルと組み合わせて「軽作業はPE・保護重視はニトリル」と使い分けると、全体のコストを抑えられます。
まとめ:素材と「食品衛生法適合」の表記で選ぶ
使い捨て手袋は、ニトリル・ポリエチレン(PE)・塩化ビニル(PVC)・ラテックスと素材ごとに向く作業が分かれるため、「どの素材か」と「食品衛生法適合の表記があるか」の2点で絞り込むのが失敗しない選び方とされています。家庭では、汎用性の高いニトリルを主力にしつつ、手早く交換したい軽作業用にPEを足す組み合わせが現実的です。ラテックスはアレルギーへの配慮から参考の位置づけ、PVC(ビニール)は食品用の表記を確認して使う中間的な選択肢と押さえておくと、売り場で迷いにくくなります。ニトリル手袋そのものの詳しい選び方はニトリル手袋は厨房の標準装備——家庭での使いどころを、厨房まわりの衛生消耗品はプロの台拭き「カウンタークロス」を家庭にもあわせてご確認ください。
なお、本記事で紹介した価格・仕様は2026年7月時点で確認できた公開情報にもとづくものであり、実際に使用しての比較ではありません。食品衛生法やポジティブリスト制度に関する記述も、公的機関・販売店が公開している情報の整理であり、法令の詳細な適用範囲は変わる可能性があります。購入前・使用前には、商品ページや公式情報で最新の内容をご確認ください。
よくある質問
食品を扱うとき、どの種類の使い捨て手袋を選べばいいですか?
素材の好みより先に、パッケージや商品ページに「食品衛生法適合」の表記があるかどうかを確認するのが基本とされています。そのうえで、油や生もの・辛味食材などしっかり手を保護したい作業にはニトリル手袋、おにぎりを握る・軽く仕分けるといった手早く交換する軽作業にはポリエチレン(PE)手袋、という使い分けが一般的です。用途が幅広い家庭では、ニトリルとPEを少量ずつ常備して場面で使い分けると扱いやすくなります。ニトリル手袋の詳しい選び方は[ニトリル手袋は厨房の標準装備——家庭での使いどころ](/guide/nitrile-gloves/)もあわせてご確認ください。
ビニール手袋(塩化ビニル)とニトリル手袋は何が違いますか?
「ビニール手袋」と呼ばれるものの多くは塩化ビニル樹脂(PVC)製で、やわらかさを出すために可塑剤という添加剤を含むのが一般的とされています。一方ニトリル手袋はニトリルゴムという合成ゴム製で、耐油性やフィット感に優れるとされています。食品に直接触れる用途では、塩化ビニル・ニトリルいずれも「食品衛生法適合」の表記があるものを選ぶのが安心とされ、PVCについては可塑剤に関する表記も商品ページで確認しておくとよいでしょう。
使い捨て手袋は洗って再利用してもいいですか?
使い捨て手袋は一度きりの使用を前提に作られている消耗品であり、洗って繰り返し使うことは想定されていないとされています。薄い素材のため洗浄で劣化して破れやすくなること、汚れが落ちきらず衛生面のリスクが残ることが理由です。同じ手袋のまま生ものと調理済みの食品を続けて扱うと汚染が広がるおそれもあるため、作業や食材が変わるタイミングでこまめに交換する使い方が基本とされています。
粉あり(パウダー付き)と粉なしはどちらを選ぶべきですか?
食品を扱う用途では、パウダーフリー(粉なし)が基本という考え方が広がっているとされています。かつては着脱のしやすさから粉付きの手袋も流通していましたが、粉が食品に付着する汚染リスクなどが指摘されており、現在流通している食品用の使い捨て手袋の多くはパウダーフリーです。特別な理由がなければ、粉なしの表記がある商品を選ぶのが無難とされています。
サイズはどう選べばいいですか?
小さすぎるサイズは常に引き伸ばされた状態になって手が疲れやすく、破れやすくもなるとされています。逆に大きすぎると指先が余って細かい作業がしづらく、手袋の中に液体が入り込みやすくなるとも指摘されています。手のひらの幅を目安に、SS〜LLなど複数サイズから選べる商品を選ぶと自分の手に合わせやすくなります。素材別の詳しいサイズの考え方は[ニトリル手袋の記事](/guide/nitrile-gloves/)でも触れています。