レードル
レードル(お玉)の選び方——業務用と家庭用の違い、容量・素材・継ぎ目で選ぶ

結論から:3段階ピック
迷ったらここだけ読めばOK。詳しい比較は本文で解説します。
遠藤商事 業務用 TKG 18-8ステンレス ワンピース横口レードル 180cc
型番: BLCH406(一体成形・横口タイプ)
実勢 約2,000円前後(容量・仕様により変動。購入前に要確認)
業務用調理道具の定番メーカーによる18-8ステンレスのワンピース(一体成形)レードル。柄とすくい部に継ぎ目がなく、汚れが残りにくく洗いやすいとされるため、長く衛生的に使い続けたい人向けの一本です。
刃物メーカー貝印の日常使いシリーズの日本製レードル。両側から注げる形状で右利き・左利きを問わず液だれしにくいとされ、家庭の汁物・カレー全般にまず薦めたい定番です。
生活用品メーカーの手頃な価格のお玉。まずは一本用意して使い勝手を確かめたい、買い替えの予備がほしいという人に向いた価格を抑えた選択肢です。
| 項目 | 業務用ステンレス(一体成形) | 家庭用ステンレス | 樹脂・ナイロン製 |
|---|---|---|---|
| 継ぎ目・衛生 | 柄とすくい部が一体で継ぎ目がなく洗いやすいとされる | 溶接でつなぐ製品が多く継ぎ目に汚れが残ることも | 継ぎ目は少ないが表面に傷が付きやすい |
| 熱への強さ | 金属のため高温に強く鍋に入れたままにしやすい | 同左 | 耐熱温度の表記範囲内に限られる |
| 鍋への当たり | 金属のため硬く、加工鍋の表面を傷つけることがある | 同左 | フッ素樹脂加工の鍋を傷つけにくいとされる |
| 容量の目安 | 90〜180ccなど容量が明記された製品が多い | 製品により容量表記の有無が分かれる | 製品により異なる |
| 注ぎやすさ | 横口・両口で液だれしにくい形状の製品がある | 両側から注げるタイプがある(例:貝印) | 製品により異なる |
| 重さ・価格の傾向 | やや重め・数百〜2千円台 | 数百〜2千円台 | 軽く安価な傾向 |
だしやスープをよそう、カレーを盛り分ける、鍋のアクを取る——レードル(お玉)は毎日のように手に取る道具ですが、いざ買い替えるとなると、どれも同じに見えて選び方が分かりにくい道具でもあります。プロの厨房をのぞくと、目にするのはたいてい銀色のステンレス製で、柄とすくい部に継ぎ目のない一体成形のレードルです。この記事では、なぜプロの現場がこうしたレードルを選ぶのかを整理したうえで、業務用と家庭用の違い、容量・素材・継ぎ目・注ぎ口といった選ぶときの軸を、遠藤商事・貝印・パール金属といった製品の仕様をもとに解説します。なお当サイトは自前の実機テストを行っておらず、以下はメーカー公式サイトや取扱店の公開情報をもとに一般的な知見として紹介するものです。
結論:まず押さえる3本のレードル
先に結論をお伝えします。長く衛生的に使える一本がほしいなら継ぎ目のない業務用の一体成形ステンレス、家庭の汁物全般にまず一本というなら両側から注げる日本製の定番、まずは気軽に試したい・予備がほしいなら価格を抑えたお玉、という3段階が本記事の見立てです。
遠藤商事 業務用 TKG 18-8ステンレス ワンピース横口レードル 180cc
型番: BLCH406(一体成形・横口タイプ)
実勢 約2,000円前後(容量・仕様により変動。購入前に要確認)
それぞれをなぜこの位置づけにしたのかは、素材と形の違い、家庭での使い方をふまえて以下で順に説明します。
なぜプロの厨房は継ぎ目のないステンレスのレードルを使うのか
写真はイメージです
プロの厨房で使う道具に共通して求められるのは、毎日繰り返し使っても壊れにくく、衛生的に保てることです。レードルも例外ではありません。多くの業務用レードルに採用されているのが「18-8ステンレス(クロムを約18%・ニッケルを約8%程度含む、さびに強いステンレス鋼の通称)」で、金属のため熱いだしやスープに入れたままにしても変形しにくく、色やにおいも移りにくいとされています。
もう一つの特徴が、柄とすくい部が一体で作られた「ワンピース(一体成形)」の構造です。柄を溶接でつなぐ製品では、継ぎ目の部分に汚れや水分が残りやすいことがあります。一体成形はこの継ぎ目がないため、洗いやすく衛生的に保ちやすいとされ、衛生管理を重視する現場で選ばれる理由になっています(各メーカー公式サイト・取扱店の商品説明より)。
遠藤商事 業務用 TKG 18-8ステンレス ワンピース横口レードル 180cc
型番: BLCH406(一体成形・横口タイプ)
実勢 約2,000円前後(容量・仕様により変動。購入前に要確認)
家庭でここまで酷使する場面は多くないかもしれませんが、「変形しにくい・においが移りにくい・継ぎ目に汚れが残りにくい」という性質は、長く一本を使い続けたい家庭にもそのまま当てはまります。プロが継ぎ目のないステンレスを選ぶ理由は、家庭で買い替え頻度を下げたい人の理由とほぼ重なる、と考えると分かりやすいでしょう。
レードルを選ぶときの4つの軸
レードルは、容量・素材・継ぎ目・注ぎ口という4つの軸で見ると、自分の使い方に合う一本を絞り込みやすくなります。詳しいタイプ別の比較は本ページの比較表にまとめていますが、要点を整理します。
容量——味見用か、家族分をよそうか
業務用のレードルは90cc・144cc・180ccといった容量ごとに展開があり、用途で使い分けられています。味見や少量の取り分けには小さめ、家族分の汁物やカレーをよそうなら中容量が使いやすいとされています。目安として、みそ汁のお椀一杯は150〜180ml前後とされることが多く、家族分をよそう用途なら100〜180cc程度の中容量が一つあると使い回しやすいでしょう。家庭で一本だけ選ぶなら、まずこの中容量を基準にし、味見用の小型を必要に応じて足していく考え方が現実的です。
素材——ステンレスか、樹脂・シリコンか
丈夫さと熱への強さで選ぶならステンレス、フッ素樹脂加工の鍋を傷つけたくないなら樹脂・ナイロン製やシリコン製、という分かれ方になります。ステンレスは金属のため硬く、加工鍋の表面をこすると傷の原因になることがあります。鍋の種類に合わせて素材を選ぶ、あるいは加工鍋用に樹脂・シリコン製を一本足す、という考え方が現実的です。
継ぎ目——一体成形か、溶接柄か
前述のとおり、柄とすくい部が一体の「ワンピース」タイプは継ぎ目がなく、洗いやすく衛生的に保ちやすいとされています。溶接で柄をつなぐ製品は種類が豊富で選びやすい一方、継ぎ目部分の洗い残しに気をつけたいところです。長く清潔に使いたいなら一体成形が有利、と覚えておくとよいでしょう。
注ぎ口——片口か、両口か
すくった汁を器に注ぐとき、縁のどこからでも注げる形状や、左右両側に注ぎ口があるタイプは、右利き・左利きを問わず液だれしにくいとされています。貝印のレードルのように両側から注げる形状の製品は、家庭で扱いやすい形の一例です。
業務用と家庭用は何が違うのか
業務用と家庭用のレードルの違いは、素材そのものよりも「継ぎ目の有無」「容量表記の細かさ」「柄の長さ」に表れます。業務用は一体成形で容量が明記された製品が多く、深い寸胴鍋にも届く長めの柄を備えたものがあります。家庭用は容量表記のない製品も多く、家庭の鍋やコンロに合わせた扱いやすい寸法が中心です。
家庭で業務用を選ぶ場合の注意点は、柄の長さと収納です。深い鍋を想定した長い柄は、家庭の浅い鍋や引き出し収納では持て余すことがあります。鍋の直径・深さと、しまう場所の寸法を、購入前に商品ページで確認しておくと失敗が減ります。丈夫さと衛生性という業務用の利点を、家庭のサイズ感に合わせて取り入れるのが、賢い選び方です。
もう一点、柄の素材にも目を向けておくと選びやすくなります。柄まですべて金属のオールステンレスは丈夫で衛生的に保ちやすい一方、鍋に立てかけたままにすると柄が熱くなることがあります。柄に樹脂などを使った製品は熱くなりにくい半面、継ぎ目や素材の耐熱表記に注意が必要です。加熱中に鍋へ入れっぱなしにしがちな人はオールステンレス、柄の熱さが気になる人は柄に断熱の工夫がある製品、と使い方で選び分けるとよいでしょう。
少量をすくう・量る小型レードルという選択肢
汁物をよそう一般的なお玉とは別に、少量をすくったり量ったりする小型のレードルを一本持っておくと、計量まわりの作業が安定します。たとえば60ml程度の小型ステンレスレードルは、シロップや調味液、梅酒などを瓶からすくうときに向いており、容量の目安がついた製品はおおまかな計量も兼ねられます。
ただし、こうした容量表示はあくまで目安で、すりきりで正確に量る計量カップの代わりにはなりません。正確さが必要な場面では、計量カップはステンレス製がプロの定番で紹介した目盛り付きの計量カップと併用するのが無難です。計量まわりの道具は、体積を量る計量カップ、少量をすくうレードル、重さを正確に量るキッチンスケールを使い分けると精度が安定します。
家庭で使うときの注意点とお手入れ
ステンレスのレードルは丈夫で扱いやすい一方、金属のためフッ素樹脂加工の鍋の表面を傷つけることがあります。加工鍋には樹脂・シリコン製を合わせるか、鍋肌を強くこすらないよう気をつけるのが無難です。だしやスープを注ぐ道具としては、雪平鍋はプロの万能鍋で紹介したような鍋と組み合わせると、家庭の汁物づくりがひととおりそろいます。
手入れの面では、さびに強い18-8ステンレスでも、塩分や酸の強い汁物を入れたまま長く放置すると「もらいさび」などが出ることがあるため、使用後は早めに洗って水気を拭き取る扱いが無難です。柄とすくい部の継ぎ目や溶接部は汚れが残りやすいので、この点で一体成形の製品は洗いやすいとされています。食洗機に対応するかは製品ごとに異なるため、購入前に商品ページの表記をご確認ください。取り分け全般では、トングは業務用が結局使いやすいで扱った取り分け小物とあわせて考えると、食卓での配膳道具がひととおり整います。
用途別に選ぶ——3段階の再整理
最後に、用途別に3段階のピックを整理します。
長く衛生的に使える一本を求めるなら、継ぎ目のない業務用の一体成形ステンレスが本記事の「一生モノ」です。
遠藤商事 業務用 TKG 18-8ステンレス ワンピース横口レードル 180cc
型番: BLCH406(一体成形・横口タイプ)
実勢 約2,000円前後(容量・仕様により変動。購入前に要確認)
家庭の汁物・カレー全般にまず一本というなら、両側から注げる形状の日本製が「まずはこれ」です。
まずは気軽に試したい、予備がほしいという人には、価格を抑えたお玉が「予算重視」の選択肢になります。
レードルは、汁物をよそう回数だけ手に触れる道具です。丈夫さと衛生性を優先するのか、鍋を傷つけない素材を優先するのか、使う鍋と場面を思い浮かべながら容量・素材・継ぎ目から選ぶことが、長く快適に使える一本に出会う近道になります。
なお、本記事で紹介した仕様・価格は2026年8月時点で各メーカー公式サイト・取扱店の商品説明をもとに確認した目安です。価格は在庫状況や販売店によって変動するため、購入前に商品ページで最新の情報をご確認ください。
よくある質問
「レードル」と「お玉」は違うものですか?
基本的には同じ道具を指します。汁物をすくう柄の長い半球状の道具を、日本語では「お玉(お玉杓子)」、業務用の調理道具や洋食の文脈では英語由来の「レードル(ladle)」と呼ぶことが多い、という呼び分けです。厳密な区別はなく、取扱店でも同じ商品を「お玉」「レードル」の両方で表記していることがあります。本記事では両方を同じ道具として扱っています。
業務用のレードルは家庭で使うと大きすぎませんか?
業務用は90cc・144cc・180ccなど容量ごとに展開があり、家庭では小〜中容量を選べば大きすぎることは避けられます。目安として、味見や少量の取り分けには小さめ、家族分の汁物やカレーをよそうなら中容量が使いやすいとされています。鍋の直径と深さに対して柄が長すぎないか、収納に収まるかを購入前に商品ページの寸法で確認しておくと安心です。
レードルの容量表示(cc)は計量に使えますか?
容量が明記された業務用レードルは、おおよその量の目安として使えます。ただし、すりきりで正確に量る前提の計量カップとは違い、あくまで「1杯で約◯cc」という目安である点には注意が必要です。正確に量りたい場面では、[計量カップはステンレス製がプロの定番](/guide/stainless-measuring-cup/)で紹介したような目盛り付きの計量カップを併用するのが無難です。
フッ素樹脂加工の鍋にはどんなレードルが向きますか?
金属製のレードルは加工鍋の表面を傷つけることがあるため、フッ素樹脂加工の鍋を長く使いたい場合は、樹脂・ナイロン製やシリコン製のレードルを選ぶ、あるいは金属製を使うなら鍋肌を強くこすらないよう気をつける、という対応になります。丈夫さのステンレスと、鍋を傷つけにくい樹脂・シリコンを、鍋に合わせて使い分けるのが現実的です。
ステンレスのレードルの手入れで気をつけることはありますか?
さびに強い18-8ステンレスでも、塩分や酸の強い汁物を入れたまま長く放置すると「もらいさび」などが出ることがあるため、使用後は早めに洗って水気を拭き取る扱いが無難です。柄とすくい部の継ぎ目や溶接部は汚れが残りやすいので、一体成形の製品はこの点で洗いやすいとされています。食洗機の可否は製品ごとに異なるため、商品ページの表記をご確認ください。